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ひめゆりの歌が聞こえる~女の戦争哀史~ネタバレ感想 安武わたる

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安武わたる先生が描く、地獄を生きた女たちの戦争史の漫画「ひめゆりの歌が聞こえる~女の戦争哀史~」。

時は太平洋戦争末期の1945年。軍国主義だった日本では、年若い少女たちもまた「軍国少女」として」尽忠報国を掲げていました。

そんな少女のひとり、天願十美子は「ひめゆり看護隊」を率いて沖縄の負傷者の看護にあたりますが・・・

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ひめゆりの歌が聞こえるのネタバレ

学徒出陣・ひめゆり看護隊

 

沖縄師範学校女子部の生徒・天願十美子はクラスを率いる級長だった。

戦争は長引き、兵力が不足してとうとう女子学生まで「ひめゆり看護隊」として戦場に駆り出されることになった。軍人の娘である十美子は「お国のために尽くす」と級長として皆をまとめて出陣した。

クラスのひとり、平良松子はユタの家系の娘で、ユタの祖母に引き止められていた。霊能者など人心を惑わす存在だと、皆からは非国民だという目で見られていた。

「あなたたち、噂話なんて失礼よ!」

クラスメイトたちが松子の陰口を言うのをピシャリと叱り、松子には早く隊列に戻るように言った。

 

悲惨な戦場の現実

 

米軍が沖縄に向けて本格的な進攻を始め、戦況はますます悪化していた。

ひめゆり看護隊のもとに運ばれる負傷兵たちは無残なありさまで、戦争とは無縁だった女子学生にはあまりにも生々しい現実がそこにあった。

十美子は岸田軍医のもと、汗や血膿が流れる自然洞窟を使った仮の病院の中で目が回るような忙しさで看護にあたっていた。

 

もっと華々しい活躍ができる、と考えていたのは甘く、ろくに治療する薬もないのに負傷兵は増えるばかりで36時間ぶっつづけで勤務しても足りない。

看護する負傷兵の悲惨な傷口や、過労が祟り、十美子は気絶してしまう。

 

不思議な力を持つユタの娘

 

水汲みや炊事も命がけで、敵機が狙い撃ってくる畑の中を走り抜けならなければならないほどだ。

十美子は松子と水汲みに行き、敵機に撃たれそうになったが、松子はまるでそれを予知していたかのように「伏せて!」と先に助けてくれた。

 

「やっと十美子さんに恩返しができました」

松子は皆の陰口からかばってくれた十美子の優しさを覚えていたのだ。

松子のその不思議な力で、敵が来ない瞬間を狙って畑から作物をとってくることもできた。

 

千里眼の力で「負ける」未来を予知

 

「松子さん、よく爆撃が来ないってわかったわね」

「私のおばあはもっと凄いです。千里眼って呼ばれてて」

十美子に問われて、松子は自分の力のことを話す。

 

おばあが面会に来たとき、「おまえはこの御嶽を守る役目。看護隊には加わるな」と止められていた。

「私だけ逃げられない」

松子は千里眼の力で、ひめゆり部隊は命を落とす、そして日本は負ける、と話し出す。

 

いくら力があるかは知らないが、そんなことを言うなんて許せない、と十美子は松子をひっぱたいてしまう。

「やっぱりあなたも非国民ね!」

しかし、日に日に攻撃は激しく、絶望した兵隊たちのひとりが十美子に手を出そうとして・・・

 

ひめゆりの歌が聞こえるの感想

 

太平洋戦争時代に、沖縄に生きた少女たちの物語でしたが、「ユタ」という沖縄独特のシャーマン的な少女が出てきて悲惨な中にもファンタジックな雰囲気がありました。

国が「皇国のために尽くす」と一丸になっている中で、その同調圧力にさらされても自然体でいる松子はすごくいい子だなあ、と感じました。

 

千里眼の能力で、はじめから「ひめゆり部隊は命を落とす」と危険を覚悟で自分だけ逃げるわけにはいかない、と出陣した松子。

でも、怒った十美子の気持ちもわかります。みんなが必死で戦って勝利を目指す中で「負ける」と言われれば戦意喪失してしまいますから。

歴史的なひめゆり学徒隊の悲劇が、胸に迫る作品でした。

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