漫画のネタバレと感想まとめ

生と死を見つめた漫画集

イミガタリ―忌み語り―ネタバレ感想 加藤山羊・矢樹純

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ホラー傑作を生み出している加藤山羊・矢樹純作の漫画「イミガタリ―忌み語り―」は、現代社会の闇に潜む「怪異」をえぐり出すような怖い短編7作が収録されている作品です。

こちらでは第一話目の「咎の糸」のあらすじと感想をご案内します。「悪いことをすると、身近にいる誰かに跳ね返っていく」という考えに取り憑かれ、ノイローゼで精神科に通っている主婦が主人公。

人々がつながっている「糸」が見えてしまう主婦は・・・

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イミガタリ―忌み語り―「咎の糸」のあらすじ

精神科に通う主婦・良子

 

香川良子は「ある事件」をきっかけに、精神科に通うようになっていた。

そして最近ようやく気がついた・・・「すべては目に見える糸でつながっている」と。

人から糸が出ており、必ず誰かにつながっている。そしていろんな人同士がつながりを持っているがゆえに、「悪いことをすると、それが誰かに返る」と良子は信じるようになっていた。

 

ノイローゼになった理由

 

精神科で以前もらっていたピンクの薬が、お腹に子供がいるから、と出してもらえない。

良子はイライラして、友達の由佳を公園に呼び出してベンチで自分がノイローゼになった話をする。

1年前、良子は近所のマンションのベランダから子供が落ちる姿を見てしまった、という。

幼い子供が6階という高さからベランダの手すりに捕まって、今にも落ちそうだったとき、良子は初めて自分の腕に巻きついていた「糸」の存在に気づいた。

そして勢いで引っ張ってしまったところ、子供の手が何かに引っ張られたかのように離れ、そのまま落ちたのだった。

 

見えない糸でつながる人々と因果応報

 

あの子と私の糸は、繋がっていたのよ、と話す良子。

「人間はみんな糸でつながっている。そして悪いことをすると、それはすぐに赤の他人に返るの」

良子はそれ以来、すべての人が誰かにつながる糸でつながっているのが見えるようになり、世の中の仕組みが理解できたという。

近所の主婦が事故にあったのは、別の主婦がゴミの日を守らなかったせい。

途方もない話に、由佳は内心、ドン引きしていたが良子は気にせずに話を続ける。

 

あなた悪いことしていない?

 

「ねえ由佳、一番悪いことってなんだと思う?」

一番悪いのは何度も繰り返すこと。何度も何度も悪事を続けていると、それが誰かを不幸にしているのだから、と。

訳の分からないことばかり話す良子に、由佳はもう付き合いきれない、と「また、今度電話するから。じゃあ」と立ち去ろうとした。

けれど良子はお構いなしに「あなた悪いことしてない?」と言い出して・・・

 

「咎の糸」の感想

 

メ、メンヘラ・・・!? 思い込みが激しそうな主婦・良子は、「人と人がつながる糸が見える」と言い出して、それがすべての人の上に起こる因果応報の関係を語り始めます。

友達である由佳は、最初は黙って聞いていましたが、なだめようとしても人の話は聞かず、延々と独自の理論を話続ける良子が、地味に怖いです。

よく「霊が見える」という人はいますけれども、「糸が見える」というのはあまり聞きません。運命の赤い糸であればロマンチックですが、こちらの糸はどちらかと言えば「黒い糸」と言えます。だから、タイトルが「咎の糸」なんですね。

何も悪いことをしていなくても、繋がった人が悪事をすれば、それが勝手に「事故・病気」という形の災難として降ってくるのだ、という良子理論。なんとも理不尽な仕組みです。

加藤山羊先生のホラーコミックは他にも読みましたが、これもまた独特な内容でかなり怖いお話でした。怖いもの好きにおすすめ。

バリュコマ

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